慶ドミのぼっちでもドミニオン

基本ドミニオンのことについて書きたいな〜って。

これであなたも合成数出しマスター 〜アドベントカレンダー10日目〜

 素数大富豪アドベントカレンダーからこちらに飛んできた方は初めまして。普段はドミニオンというボードゲームについて語っているゆぅくりっどと申します。昨日はあの素数大富豪小説の作者キグロさんによる「素数大富豪における"六つ子素数"の非存在性http://ch.nicovideo.jp/kiguro_blog/blomaga/ar1373960」でした。自分も四つ子研究をしていることもあり、親近感を感じる記事でした。

 唐突ですが、皆さんは素数合成数どちらがお好きですか?素数大富豪の記事を読んでる時点で素数の方が好きだとは思いますが)

 自分はどちらかというと合成数の方が好きという数学界隈では珍しい人種の1人です。正確には素因数分解された後の合成数が好きで「あぁ、この数はこんな要素で構成されているんだな」と丸裸にされているところを見るのが好きな人です。自分で書いておいてなんですが、こう書くと只の変態みたいですね。

 「合成数出し難しい!」と思われる方も多いことでしょう。特に積が4桁以上になるとなかなかお目にかかる機会もないと思います(有名な2^5*41=1312くらい)。そんなときに出せるとカッコいいよね!という思いから自称素数大富豪研究家として合成数出しを記事にまとめました。

 

STEP1:まずこれだけは意識したい1枚出し

2^2=4 (2*2=4)

2*3=6 263は素数

2^3=8

3^2=9 293は素数

2*5=10

 以上の5種類です。え?バカにするなって?1枚出しで3枚消費できるのも合成数出しだからこそ。合成数出しの1番の強みはその多い手札で相手の油断を誘うことです。一度に上がれないだろうから5を今のうちに消費しよう……と油断させた隙に、Kで流してグロタンカットからの合成数で上がり!なんて芸当も合成数出しならではです。

 因みに12をあえて省いたのは2つ理由があります。一つ目は2の消費が1枚出しの割に合わないからというもので、指数出しが出来るようになってから、2はその汎用性の高さから奇数なみの需要が発生します(2は奇数)。二つ目は12という数字自体が合成数出しのときに使いやすい数字だからです。これについてはSTEP2で後述します。

 

STEP2:差をつけられる偶数オンリー合成数出し

※()内はSTEP1のもの

(2*5=10)

(2^2=4)

2^6=64

2^8=256

2^10=1024

5^2=25

5^4=625

 ようは偶素数の累乗系です。偶素数は2と5の2種類しかありません。ここでx=(2^p)*(5^q)という自然数を考えてみましょう(p,q∈Z、p≧2、q≧2)。2と5を因数に持つことからxは必ず末尾に0がつくことになります。素数大富豪でJOKERを使わず末尾が0になる出し方は10を使わなければなりませんが、それは即ちx/10という数字の末尾が1でなければなりません。偶素数の因数のみで末尾を奇数にすることは出来ませんので(2^p)*(5^q)型の偶数オンリー合成数出しはないことが証明できます。

 慣れてきたらpが奇数の場合の2^p、5^pも覚えておきましょう。特に5^3=125、2^7=128、2^9=512のQ消費型はよく目にする機会があります。

 

STEP3:意外と使える2*5=10味付け型

X1*2*5=X10

 STEP2の2*5=10をそのまま出したのでは単なる3枚消費に過ぎません。少しここでアレンジしてみると合成数出しはもっと面白くなります。1,2,5,10の4枚に加えて”1を末尾に付けると素数になる数”を2枚持っていると上のような式で合成数が出せるわけです。例えば4を2枚持っているとすると

41*2*5=410 2445101は素数

と出せるわけですね。またX1の部分を工夫してみると

3^4*2*5=810や 8541023は素数

691*2*5=6910や

11^2*2*5=1210とも出せます。これだけでも強くなってきたと感じてきませんか?

 

STEP4:出せるとカッコいいオススメ合成数

2^3*7=56 76253は素数

7^2*2=98 98227は素数

2^5*13=416 6542131は素数

3^6*2=1458 8654231は素数

2^6*127=8128 886121227は素数

5^4*13=8125 85124513は素数

5^4*661=413125 66554412131は素数

 前の2つは意識すれば出しやすい合成数です。小さい数なので出し方を忘れてしまってもその場で素因数分解すれば大丈夫でしょう。真ん中の2つは連番系で、共に1~6までの数字+1枚で出せるため覚えやすいことが特徴です。後ろの3つは絵札を加えた偶数消費型の大きめな合成数出しをピックアップしました。大量に偶数を消費して周りと差を付けましょう。

 

STEP5:正直隠しておきたかったロマン合成数

2^17=131072

(2の累乗による4枚出しのカウンターに使えるとカッコいい系)

5^11=48828125

(5の累乗による偶数消費型最終奥義、5^p*5^q型でも出しやすい)

2^3*10139=81112 982311121013は素数

(使う数が2,3と8~13と覚えやすい、3枚出しのカウンターとしても強い)

3^3*2^8=6912 98632123は素数

(3n消費型合成数出し、偶数も消費できてるのでそこそこ有用)

2^6*67=4288 8862247は素数

2^6*107=6848

(使う奇数は7のみとお得、構成してる数が似ているためセットで覚えたい)

5^3*677=84625 8776645523は素数

(使う数が2~8と5,6,7と覚えやすい、積に1桁の偶数を5^3の倍数ぽく並べればいいだけなので忘れにくい)

2^7*829=106112

(2を3枚と6~11で出来る、「トム・ジャック2人で(106J2)パニック(829)になる(2^7)」の語呂あわせで覚えられる)

911*71483=65121013

2*11*369137=8121014

23*613*859=12111041

23*613957=14121011

2^4*89*1063=1513712

2^4*7*11*983=1211056

(上から2以外、5以外、7以外、8以外、11以外、13以外の12種で構成された5枚出し)

↑残念ながら13種の合成数出しは自分の頭では発見できませんでした。もし見つけられた方はコメントいただけますと幸いです。

 

 合成数出しは麻雀の役のようなもので、狙って見ると意外と完成するものもあります。しかし手に持っていても気付かないこともまた真実。中にはその場で計算して出す猛者もいるとかいないとか……。そこまでの域までは達せずとも上記の合成数出しが皆さんの役に立つことを願います。

 明日はMathPower優勝者もりしーさんの「語呂合わせ素数の拡張性について」です。自分が機械的素数合成数を覚えるタイプに対して、実力者の実践的なテクニックを期待しております。